AI × Personal PortfolioNOTE / 2026-09-27
AIと育てた、検索できるポートフォリオ

個人名検索で、
自分のサイトが1位に。AIでポートフォリオを育てて分かったこと

実体験をAIで整理し、自分で確認してサイトに蓄積する流れを示す概念図

2026年5月ごろ、自分の経験や制作物、普段考えていることをまとめるために、個人のポートフォリオサイト「Personal Notes」を作り始めた。公開したばかりのころは名前で検索してもほとんど出てこなかったが、日々記事を増やし、サイトを直しながら3〜4か月ほど続けたところ、9月にはプロフィールページが検索結果の一番上に表示されていた。

それまで自分のポートフォリオサイトは持っていなかったものの、ウェブ解析士協会のプロフィールやLinkedIn、Facebookなど、自分について確認できるページはいくつかあった。ただ、そこに載せられるのは経歴や資格が中心で、普段何を考え、何を試しているのかまでは伝えにくい。仕事や個人制作で失敗したこと、その後どう改善したのかも含めて残せる場所が欲しかったことが、サイトを作るきっかけになった。

名前で見つけてもらうのは簡単ではなかった。私と同姓同名には有名なアナウンサーがおり、以前からWikipediaや大手メディアの記事が検索結果に並んでいたからである。それでも順位を追いかけるより、自分の経験を残すことを優先し、記事を書きながらプロフィールや実績ページにも少しずつ手を入れていた。

そうして更新を続けた後、2026年9月に久しぶりに名前を検索すると、Personal Notesのプロフィールページが一番上に出ていた。検索結果にはウェブ解析士協会のプロフィール、LinkedIn、Facebook、サイト内の実績ページも並び、数か月前には見つからなかった自分のサイトへ、名前から辿れるようになっていた。

2026年9月「齊藤孝信」のGoogle検索結果
【画像:2026年9月「齊藤孝信」のGoogle検索結果】

ここでいう「1位」は、2026年9月に自分が確認した検索結果の記録である。画面には興味や関心に応じて検索結果を変えているものではない旨の表示があったが、地域や端末などの条件によって結果は変わるため、誰が検索しても同じ順位になるという意味ではない。

記事の材料は、普段のChatGPTとの対話だった

日々のChatGPTとの対話に、困ったこと、試したこと、失敗の理由、考えが変わった過程が残り、記事の材料になる概念図。内容は自分で確認する。

この数か月、検索順位を上げるために毎日SEO記事を書いていたわけではなく、記事の材料になったのは普段のChatGPTとの対話だった。私はAI活用や業務改善、UX、マーケティング、EC、Codex、個人制作などについて、思いついたことを日常的にChatGPTへ話している。うまくいったときだけでなく、何かに詰まったり、思った結果にならなかったりしたときも、「なぜこうなったのか」「次はどうすればいいか」と相談してきた。

その場では自分の考えを整理するための会話でも、後から読み返すと、何に困り、最初に何を試し、どこで考えを変えたのかが分かる。完成した成果だけでは見えない判断の過程が、当時の言葉で残っているのである。結果が出てから一から思い出して書くと抜け落ちてしまう迷いや前提も、ログをたどれば確かめられるため、自分の経験を記事にする材料として使いやすかった。

現在は一定期間ごとにChatGPTのログをエクスポートし、記事になりそうな話をAIに拾ってもらっている。出てきた候補を見ながら、過去の記事と重複していないか、自分の経験として具体的に書けるかを確認し、残したいテーマを選ぶ。そこから構成や下書きを作ってもらうところまで、AIに手伝ってもらっている。

ただ、下書きは必ず自分で読み直す。AIが会社での出来事と個人制作の話を混ぜたり、一度の経験を必要以上に一般化したりすることがあるからだ。実際に経験したことと文章が合っているかを確認し、前提や論旨がずれていれば修正してから記事にする。自分の経験を、他の人が読める文章へ整理する作業を手伝ってもらっている、というのが実態に近い。

記事の公開で自分が行うことは内容を確認するだけである

対話から記事を公開するまでの8工程。自分で内容確認・修正指示(口頭)の工程を、濃い緑の帯と話す人のアイコンで強調した図。
【図:記事公開までの流れ】

記事を続けて増やすには、文章を書いた後の作業も考える必要があった。本文が完成しても、Webサイトへ載せるまでには、記事ページの作成、画像の配置、リンクの設定、タイトルやdescriptionの調整、記事一覧への追加が残る。一本書くたびに手作業で繰り返していたら、更新そのものが面倒になってしまうため、この部分はCodexに任せるようにした。

サイトには記事のテンプレートやURL構造、デザイン、ナビゲーションなどの基本ルールを用意してある。記事ページの実装からGitHubへの反映、Cloudflareでの公開までをCodexに任せているため、自分はできあがった内容を確認し、直したいところがあれば口頭で修正を指示するだけでよい。文章や画像、表示について気になる点も言葉で伝え、その指示をもとにCodexに直してもらっている。

日常の対話から記事を公開するまでの流れは、上の図のとおりである。

日常のChatGPTとの対話
→ ログをエクスポート
→ AIが記事候補を抽出
→ AIが下書きを作成
→ 自分で内容確認・修正指示(口頭)
→ Codexでサイトへ実装
→ GitHubへ反映
→ Cloudflareで公開

こうして材料集めから公開までの流れを作っておくと、記事を書くたびにゼロからテーマを考えたり、ページの作り方を説明し直したりせずに済む。自分で確かめる工程は残しながら、その前後の作業をAIに手伝ってもらえるようになったことが、更新を続ける助けになった。

記事だけでなく、サイト全体も少しずつ整えた

プロフィールから記事、実績・制作物、外部プロフィールへ進むサイトの構造

Personal Notesには記事だけでなく、プロフィールや実績、制作物も置いている。プロフィールで経歴や専門分野を知った人が具体的な記事や実績へ進めるようにし、記事から来た人は「誰が書いているのか」をプロフィールで確認できるようにした。完成した制作物を見たい人にも、そのためのページを用意している。

一つのページへすべてを詰め込むより、情報の役割を分けてつないでおく方が、関心に合わせて読んでもらいやすい。経歴だけでは説明しきれない考え方は記事に残し、取り組みの成果は実績や制作物のページで見てもらう。どこから読みに来ても、気になった情報へ進める構造を考えながら整えてきた。

ウェブ解析士協会やLinkedIn、Facebookなど、以前からあった外部プロフィールとも、必要に応じて行き来できるようにしている。それぞれに役割があるため、載っている情報をすべて自分のサイトへコピーする必要はない。今回の検索結果にもPersonal Notesと一緒に外部プロフィールが複数並び、自分について確認できるページが表示されていた。

記事が増えるにつれて古いページとの不整合も出てくるため、月に一度程度、AIを使ってサイト全体を確認している。タイトルやdescription、内部リンク、ページ構造、リンク切れなどを見てもらい、問題がありそうな箇所を候補として挙げてもらう。提案は一つずつ自分で確かめ、修正が必要だと判断したものだけを反映している。

サイトは記事を追加しながら少しずつ形にしてきたもので、更新のたびに気づいたところを直し、月ごとの確認で過去のページにも戻ってきた。日々の記事制作とサイト全体の手直しを重ねてきたのが、この数か月だった。

AIで自分の情報を整えれば、個人名検索で上位を狙える

プロフィール・記事や実績・外部プロフィールをつなぎ、検索に自分の活動が伝わる形へ整える概念図。AIへの指示と設定、定期的な確認と修正、サイト更新を、自分で内容を確認しながら回していく。

今回の経験で手応えを感じたのは、AIを使って自分のプロフィールや活動を整理し、Googleの検索に伝わる形へ整えていけば、個人名検索では数か月という期間でも上位表示を狙えるということだ。5月ごろには持っていなかったサイトを作り、記事や実績を載せながら3〜4か月ほど更新したところ、9月にはプロフィールページが一番上に表示された。自分が何者で、何をしているのかをWeb上にきちんと残すことには、名前から見つけてもらううえでも意味があると感じた。

自分のサイトでは、経歴に加えて、普段取り組んでいることや実際に作ったものを記事や実績として残し、プロフィールから辿れるように整えてきた。ページのタイトルや説明文、内部リンク、外部プロフィールとのつながりまでAIと一緒に整えることで、読む人にも、サイトを巡回するGoogleのボットにも、自分の情報を把握しやすい状態を目指せる。今回のサイト運用を通じて、AIは文章を書くところから検索に伝わるサイトを整えるところまで使えると実感した。

ここをさらに作り込めば、検索順位の改善に向けた運用もかなり自動化できると思う。AIに何を確認させ、どのルールで修正させるかを指示と設定に落とし込み、記事の追加に合わせた情報の更新や、定期的なリンク・ページ構造の確認を回していく。自分は内容を確認して必要な修正を伝えながら、検索に伝わる状態を保つためのメンテナンスをAIに任せる。その仕組みを育てていけば、個人でも継続して検索順位の改善を狙えるのではないかと考えている。

AIによって、個人が自分を発信するハードルはかなり下がった

頭やチャットの中にある経験を、AIが候補探し・文章整理・サイト実装で手伝い、自分で内容を確認して、他の人が読めるプロフィール・実績・記事として残す概念図。Webへ残す手間が減ったことを示す。

今回の経験で一番面白かったのは、検索順位以上に、自分の経験をWebへ残す手間が減ったことだった。以前なら、テーマを考え、文章を書き、ページを作り、画像やリンクを入れ、公開するところまで自分で進める必要があった。一本ならできても、何十本も続けるとなると、その作業が積み重なる。

今は普段のAIとの対話が記事の材料になり、候補探しや文章の整理、確認後のサイト実装もAIに手伝ってもらえる。頭の中やチャットにしかなかった経験を、他の人が読める状態まで持っていきやすくなった。自分で内容を確かめることに時間を使いながら、記事をサイトに残すところまで進められる。

ポートフォリオにはデザイナーやエンジニアの作品集というイメージがあるが、マーケティングや業務改善、AI活用の仕事でも、何を考え、何を試し、どう改善したかを残せば、自分の仕事を説明できる。転職や副業、業務委託、商談などで名前を検索されたとき、プロフィールや実績に加えて具体的な記事が見つかれば、経歴だけでは伝わらない部分まで読んでもらえる。

5月にサイトを作り始めたとき、数か月後に自分の名前で検索して一番上に出るとは考えていなかった。経験を残す場所として記事や実績を少しずつ積み上げてきた結果、9月には自分の名前からその場所へ辿れるようになっていた。もともと自分の中にあった経験や考えを、検索できる形で外へ出せるようになったことが、今回の検索結果を通じて実感できた変化だった。