AI × Personal PublishingAI / 2026-09-26
ひとつのAIが止まった日

AIが止まったら
個人の記事づくりも止まる。
「単一AI依存」で見えたこと

個人サイトの記事制作に使っているCodexに突然エラーが出た。自宅にはClaude Codeもある。だが、Codexで作り込んだ設定や作業の前提を移すには準備が要る。別のAIが手元にあっても、記事づくりをすぐ再開できるわけではなかった。

一本の接続が途切れ、別の経路へ線が伸びる様子を表した静かなイメージ
記事制作を担っていたCodexが止まった。

「チャットが使えない」で済まなくなった

最初は自分の環境がおかしくなったのだと思った。認証エラーが出る。新しいセッションを作っても動かない。別の機能を試しても同じだった。しばらくしてCodexの障害告知を見つけ、自分の設定だけの問題ではないと分かった。

安心した一方で、別のことに気づいた。個人サイトの記事づくりを、思っていた以上にCodexが動く前提で進めていた。

以前なら、AIが使えなくても「今日は使えないか」で済んでいた。今はメモの整理、記事の構成、HTMLへの反映、確認まで、個人の制作にもAIが入っている。Codexが止まれば、記事を公開するまでの工程が止まる。

記事を作る工程にも、AIが深く入っている

個人サイトの記事を作るときは、自分で考え、Codexと壁打ちし、HTMLへ反映してもらい、最後に自分で確認する流れになっている。文章を書くだけでなく、公開までの工程にAIが入っている。

01 / Think
自分で考える記事にしたい体験と主張を決める。
02 / Discuss
Codexと壁打ちする論点を整理し、構成を考える。
03 / Build
記事を実装する本文をサイトのHTMLへ反映する。
04 / Review
自分で確認する記事の内容と表示を見て、公開を判断する。

この制作の流れに慣れるほど、Codexは単なる文章補助ではなく、個人サイトを続けるための制作環境に近づく。だから停止の影響も大きくなる。

別のAIがあることと、
そこへ作業をすぐ移せることは、
同じではない。

Claude Codeはある。それでも切り替えは簡単ではなかった

自宅にはClaude Codeがある。Codexが止まったとき、「Claude Codeへ移せばいいか」と考えた。使えるAIが一つしかないわけではない。

しかし、実際に移そうとすると、参照資料、判断基準、現在の作業状況、フォルダ構成、実行環境、作業ルールを改めて渡す必要がある。Codex側の環境を複雑に作り込んでいたため、切り替えの準備は思った以上に重かった。

記事を一本公開するためだけに環境を作り直すより、復旧を待った方が早い。今回はそう判断して、Claude Codeへの移行をやめた。別のAIが手元にあるだけでは、すぐに代替できない。障害が起きて初めて分かったことだった。

一つのAIに集まっていたのは、制作の前提だった

CodexとClaude Codeの両方を使える。それでも、日々の記事制作の文脈はCodex側に集まっていた。作業ルールや判断基準まで含めて移せなければ、もう一方はすぐに代替経路にならない。

Usual Setup

Codexで進める

参照資料、判断基準、作業状況、実行環境を使って記事を制作する。

Switching Cost

Claude Codeへ移す

同じ前提を渡し直し、記事制作を再開できる状態まで整える必要がある。

複数のAIを持つことと、作業を切り替えられることは別である。今回止まったのは、AIの選択肢ではなく、作り込んだ環境で動いていた記事制作の流れだった。

記事を続けるための備えを、小さく考える

だからといって、CodexとClaude Codeの環境を常に同じ状態で維持するのは重い。まずは、記事の元メモ、判断基準、途中の成果物を特定の会話履歴だけに閉じ込めず、必要なときに取り出せる形で残しておく。

それでも切り替えに時間がかかるなら、記事一本のために移行するか、復旧を待つかをその都度判断すればよい。完全な自動切り替えではなく、どこまでなら移せるかを知っておく。個人サイトを続けるための、小さな備えである。

01 / Choose
移したい作業を絞るすべてではなく、止めたくない記事制作の工程を選ぶ。
02 / Keep
制作の前提を外に残す元メモ、判断基準、作業ルール、途中の成果物を参照できるようにする。
03 / Decide
切り替えるか待つか決めるClaude Codeへの準備コストと復旧を待つ時間を比べる。

別のAIがあっても、
すぐに記事制作を移せるとは限らない。